ロマンチックな思い出のはずだったのに・・・

車中泊使用車種:BMW4

30代

女性

Ayumint さん

あれはたしか5年くらい前の夏だったように思います。マッチングアプリで出会った隣の県のD君と遊んだ日のことです。

車で颯爽と現れた彼は、ちょっとハーフっぽくてかっこよかったのを覚えています。一緒にご飯を食べに行って、それからドライブすることになりました。

結構話が弾んでしまって、途中からどこを走っているのか分からなくなってしまったのです。
暗いし、普段来る場所とはちょっと違ってるみたい、と思いながら、とりあえずナビで確認すると、近くに海の見えるところがあるらしいのでした。

「行ってみようか。」と言って、D君は車を走らせました。

D君の車は広くて、快適でした。今日は帰りたくないな、このまま泊まっちゃおうかな、ということになりました。

知らないうちに、結構遠くまで来ていたみたいで、D君の家も私の家も、遠くに感じました。
もしかしたら、もっと仲良くなっちゃうシチュエーション?とか思ったりして、変に興奮したのを覚えています。

ああ、私、若かったんでしょうね♡

D君は、外人風の風貌に似合わず、日本の妖怪の話をしたり、心霊スポットの話をしたりするのが好きなようでした。
けっこうおしゃべりで、私も、話を聞くのが嫌じゃなかったので、楽しんで話を聞いていました。

この時点で全然、ロマンチックじゃないのですが、まあ、淡い期待を抱いて、しばらく車内で話に付き合っていました。
せっかく海のそばに来たのだから、海でもみようよ、となって、外に出ました。
夏の海は、潮のにおいがして、夏休みって感じでちょっと感動しました。手をつないだりして、急接近?と思いきや、D君が、そろそろ眠くなっちゃったから、寝ようか、と言って車に戻っていきます。
え?もう少し潮風に当たっていたいんですけど・・・。

結局、車に戻ると、シートを倒してそのまま眠り込んでしまったD君なのでした。
私はなんだかなあ、と思いながら、ボンやりしているしかありませんでした。
私、そんなに魅力ないのかしら、とか、妖怪の話を誰かに聞かせたかったのかな、とか、いろいろ考えて、全然眠れないのでした。
しかも、どこからか蚊が入ってきていて、一晩中プ~ンという音と格闘する羽目になりました。

いらいらして一刻も早く帰りたかったのに、この暗闇の中からひとりで帰れるはずもないし、D君は全然起きる気配がありません。
私の期待は一体何だったんだろう!夏の思い出が一気に悲しいものになってしまいました。
金輪際ハーフっぽい男には騙されないぞ、と思いました。二度とD君に会うことはなかったけれど、後で聞いたら、D君には彼女がいたらしいです。
じゃあなんで私を誘ったのでしょうか。

楽しかったはずの車中泊が、全然楽しくなかった、というお話でした。