車中泊で生きる力を見た

車中泊使用車種:シエンタ

30代

女性

ぽろぽろ さん

私が20代の終わりに付き合った彼氏がドケチ人間でした。
出かける時はいつも電車やバス等の公共機関を使っていて近場の散歩デートがメインの人でした。
そんな彼氏に私がせっかくだから旅行に行きたいとお願いしました。

初めて彼氏がレンタカーをかりてくれて2人で初めて大阪から福岡までの旅行が始まりました。
運転する姿も初めてで何もかもが新鮮でした。
どこに行くにも二人っきりで行きたい場所に車ですんなり行ける事がとてもラクで楽しいと思いました。
私は車の中で今日はどこのホテルに泊まるのか気になって彼に質問しました。その時に彼がホテルなんて泊まらない、車中泊するといって私は氷付きました。

初めての旅行で車中泊?え、お風呂は?髪の毛洗えないの?と色々な事が頭をかすめ、思った事をすべて彼に聞きました。
彼はえ?車中泊できない奴とは結婚できないけど。お前無理なの?嫁になりたくないのか?と聞いてきました。私はえ?結婚なんて全く話に出てきてないし、結婚が絡むなら話は別ですけど。車中泊の話からなぜ結婚の話になるの?と思いましたが、頭の中に車中泊=結婚の数式が浮かんでいました。けれど車中泊が決定らしく、しぶしぶ夜は車の中に泊まる事になりました。

そこで初めて気が付いた事は私は身長が高く車中泊するには足が狭いという事です。こんなに車の中で寝るのがしんどいのかとおもいました。けれど隣で私より大きい彼はすやすや眠っていて、その姿になぜかすごい生きる力がある様に感じました。
この人は何も無くなっても自分の力で生きる知恵を生み出す人なのではないかとプラスに考えてしまった自分がいました。

朝起きて腰が痛いと思っていた私に彼はお前歯ぎしりすごかったなと大笑いしながら楽しそうに話してきました。私は昨日彼の変な魅力に気が付いてしまい、私の歯ぎしりですら笑い飛ばしてくれる彼が大きな人間に思えるようになりました。

それからは彼への見る目が変わってしまいました。帰りは行きと違い車中泊した2人のテンションは高くとても楽しい道中になりました。
そんな彼も私が車中泊が出来た事でお眼鏡にかなったのか、あれとあれよと結婚する運びになりました。

ケチだと思っていた彼は結婚してからも自分にはお金を使いませんが、家族にはお金を使う人間になりとても幸せです。